韓国学研究部門の開所にあたって(2015年4月)
 

 韓国学研究部門長の木宮正史です。私は、2015年3月まで大学院情報学環の現代韓国研究センター長でした。同センターは、韓国国際交流財団の全面的な支援を受け、2010年度に姜尚中教授を初代センター長として設立されました。その後、私も駒場の大学院総合文化研究科から流動、つまり出向という形で情報学環に関わると共に、副センター長としてセンターの運営に関わり、さらに、姜センター長が聖学院大学学長就任のため退職された後は、センター長として2年にわたりセンターの運営に責任を持ってきました。私自身は、2015年4月から、再び、元の駒場、大学院総合文化研究科に復帰をし、そこで、韓国学中央研究院の支援を得て、韓国学研究部門という組織を立ち上げました。今後は、東京大学を海外韓国学中核大学に育成する事業に関わり、研究のみならず、特に若手の韓国研究者を育成する教育事業なども積極的に行っていきます。現代韓国研究センターは、今後、大学院情報学環という組織の特性を生かした韓国研究、日韓学術交流を行っていくのではないかと期待しますが、駒場の韓国学研究部門は、ある意味では、従来同センターが行ってきた、広い意味でのジェネラルな韓国研究を受け継ぐ形で発展させていきたいと思います。東京大学に韓国の名前がつく研究機関が二つできるのは、韓国研究に対する東京大学の強いかつ広い意欲を表すものだと確信いたします。今後、本郷の現代韓国研究センターと駒場の韓国学研究部門が、東京大学の、そして、日本の韓国研究を車の両輪として担っていけるよう、お互い、切磋琢磨していく所存でございます。どうか、今後とも、この両者に対するご支援をよろしくお願い申し上げます。
最近の日韓関係は率直に葛藤に満ちています。この背景にはポスト冷戦期における日韓関係の構造変容があります。しかし、こうした構造変容が、必然的に日韓関係の葛藤の増大だけを帰結させるわけではありません。一方で、葛藤を増大させる原因を提供することは確かですが、他方で、そうした葛藤を解消するための「能力」を提供することにもなります。問題は、日韓関係を構成する担い手が、そうした「能力」を獲得し発揮することができるのかどうか、そうした選択をすることができるのかにかかっていると思います。日本の韓国学研究をより一層発展させることとは、日韓間の「葛藤」を解消するための「能力」を日本社会、韓国社会が獲得することに少なからず貢献することにつながるのではないかと思います。そうした期待を込めて、日本の韓国学研究の発展に貢献していきたいと考える所存でございます。


 
「韓国学研究センター」メンバー紹介 (2017年、組織改編により部門からセンターに改称)
 

韓国学研究センター・教員

木宮正史(東京大学大学院総合文化研究科・教授、センター長)
外村大(東京大学大学院総合文化研究科・教授)
長澤裕子(東京大学大学院総合文化研究科・特任講師)


東京大学「海外韓国学中核大学事業団」

・事業団長
木宮正史(東京大学大学院総合文化研究科・教授、韓国学研究センター・センター長)

・事業団
生越直樹(東京大学大学院総合文化研究科・教授)
月脚達彦(東京大学大学院総合文化研究科・教授)
外村大(東京大学大学院総合文化研究科・教授、韓国学研究センター)
有田伸(東京大学社会科学研究所・教授)
三ツ井崇(東京大学大学院総合文化研究科・准教授)

・補佐
長澤裕子(大学院総合文化研究科・特任講師、韓国学研究センター)